ACLへ「駆け込み乗車」なるか

　さまざまな催しがあったが、なんといっても一番人気は目玉展示物となった旧検測車である。スタジアム前の広場に黄色の電車が鎮座している光景は、遠くから見ていても、まさに圧巻。周辺には常に人だかりが絶えず、撮影するだけでも一苦労だった。

　聞くところによると、中の操作で行先表示幕が変わるサービスを行っており、「二子玉川園行」などレアな表示を収めようとその場で待機している鉄道ファンが多かったようである。試合開始90分前には、道路の横に設置されている旧検測車の隣を選手バスが通ってスタジアムに入り。バスにいた選手たちも、さすがにこの電車に目が釘付けになっているようだった。

　シーズン終盤の11月に、これだけ大々的なイベントを開催するのも珍しい。企画したクラブスタッフに声をかけると、「大変でしたよ」と言うものの、その表情からは充実感が見て取れた。

　そして試合はというと、清水に2-0で快勝。

中村憲剛、稲本潤一、そしてジェシという主力3人を負傷で欠いたが、前節の鹿島戦の大敗を払拭する内容で勝利をおさめている。得点王争いトップを走る大久保嘉人も2ゴールで、得点数を24ゴールに伸ばした。

　リーグ戦は残り3試合。

　現在川崎フロンターレは6位につけており、首位・横浜Fマリノスとの勝ち点差は8。数字上での優勝の可能性はまだ残っているが、現実的には厳しく、勝ち点6差の3位・サンフレッチェ広島の位置に割って入り込むのが目標といえる。ラストスパートに入った川崎フロンターレは、ACL出場権の「駆け込み乗車」を狙っている。

【了】

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