睡眠薬を使用してでも調整した中村俊輔
海外から戻ってくる選手の中には、時差調整に苦労したり、移動直後のゲームでいいパフォーマンスを出せなかったりし、悩む者も少なくない。日本代表でもミッドウイークの代表戦のために前日帰国した選手数人が後半になってガタ落ちするケースがたびたび見られた。
長年欧州と日本を行ったり来たりしていた中村俊輔が「代表選手が時差でよく眠れないという話を聞くけど、それなら睡眠薬を使ってでも調整するべき。自分はそうしていた」と叱咤激励したこともあった。
そんな中村の発言について、マリノス時代から彼をサポートしてきた池田氏は「俊輔はコンディション管理の意識が非常に高い一流のプロフェッショナル」と称賛していた。
「時差調整については韓国の選手からもよく質問を受けます。『到着地の時間に合わせて機内で寝るか寝ないかをはっきりさせることが大事。7~8時間の睡眠を取れば到着後も体のスイッチがスムーズに入る』とアドバイスはしていますが、実際にどうするかは自分の努力。
俊輔みたいに睡眠薬の力を借りるのも一案でしょう。本当のトップレベルの選手は移動が大変だとか、過密日程で調子が悪いといったエクスキューズは言わない。国の代表として戦うことにも感謝している。韓国は日本よりその傾向が強いので、選手の出場給が出るようになったのもつい最近なんです」と池田氏は言う。
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