統一教会に支えられていたクラブ・城南一和
「城南が“安山FC”として新しく出発する」
8月23日に韓国の『イルガン・スポーツ』が報じた城南一和に関する報道は、韓国サッカー界に大きな衝撃を与えた。城南一和と言えば、Kリーグ最多7回のリーグ優勝、2010年ACL制覇、2010年FIFAクラブワールドカップ4位を誇る、Kリーグ屈指の名門クラブだ。そんな伝統あるクラブが、母体企業である統一グループの財政支援の打ち切りによって、今シーズンで消滅するという。
そもそも城南一和は、リーグで一番安定した財政状態のクラブだった。2001年からリーグ3連覇を達成した当時は、豊富な資金力でスター選手を次々と獲得し、“レアル城南”とまで言われていた。
その資金源は、サッカー好きで有名だった宗教団体・統一教会の教組・文鮮明だ。彼は80年代末、同クラブの創設をリードし、その後も多くの投資でクラブを牽引した。チームが優勝したときは自ら激励に訪れ、現金でボーナスを渡すこともあったという。城南一和は、まさに“文鮮明あってのクラブ”だったわけだ。
クラブと教会の関係はというと、資金の支援以外は、統一教会とクラブに宗教的な関係はなかったとされている。ただ、キリスト教団体からホームゲームのたびに反対デモを受け、専用競技場とクラブハウスの建設が白紙化するなどの損失を受けた事実もあった。
【次ページ】大きな痛手だった文鮮明の死去