評価を高めた柿谷と山口だが…
――さて、東アジア杯を優勝したことで、出場した選手たちの評価も上がったことと思います。今後の注目は、ここからザックジャパンにどれだけ食い込めるか、ということだと思います。
「厳しいようだが、食い込める選手はいない。正直、どの試合もクオリティは高くない、というか低かった。日本も含めて全チーム低い。最後は完全アウェイの雰囲気で良くやったと思うが…。
インターナショナルな大会で東アジア杯のメンバーがプレーするとなると難しい。海外組、ベストなメンバーの方がクオリティは遥かに高い」
――全員ですか? 柿谷も?
「柿谷は3点ととったが、ストレートに選ばれるにはまだ足りない。1トップで使うとしたら、彼は前田のようにフォアチェックは出来ない。そうなるとスタイルを変更せざるを得ない。チーム全体を変えるまでの価値があるかどうか。
もっと経験を積んで、Jで継続的に結果を出す必要がある。もちろん能力のある選手だよ。だけど、東アジア杯のレベル低い相手にこれくらい彼がやるのは普通。想定内。柿谷はトップ下でもプレーするけど、2列目だともっと厳しい。あの位置では誰も食い込めない」
――ということはMVPを獲得した山口螢も?
「そうだよ。自信は付けたが、本人たちも『もっとやれなきゃいけない』というのは分かっていると思うよ。さっきも言ったけど、他の国のレベルがあまりにも低かったから。技術、戦術理解、フィジカル、メンタル、すべてがまだ足りないけど、何が足りないか、課題は何か、整理できたのは大きいけどね」
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