勝ち切れない東京
長い中断期間明けの初戦となった、ホーム味の素スタジアムでの対サンフレッチェ広島戦、アディショナルタイムの直接フリーキックで敗れて黒星先行。下位も敗戦数が多く、順位こそ奇跡的に8位で済んでいたが、毎度の課題になっている試合運びのまずさや、なかなか交替カードを切らなかった点が拙いと映ったこともあり、「またか」という不満がFC東京ファンのあいだに渦巻いた。
その「またか」は、批評の単位を一試合から一シーズンに拡げれば「また中位か」になる。なぜ東京は毎年メディアに「今年こそ優勝」と持ち上げられ、首都のクラブとして勝たなくてはと使命感をあらわにし、ファンもそれを願うのに、いつまで経っても中位から脱却できないのか。
「また中位か」の予感が漂うなかでのミッドウイーク開催J1第15節は、苦手の埼玉スタジアム2002で0-2とリード。しかし最後の10分間で2-2の同点とされ、あわや逆転負けというところまで追い詰められた。
5分もあったアディショナルタイムで勝ち越し点を獲れなかったと考えるか、勝ち越し点を奪われなくてよかったと考えるか。いずれにしても二点差がセーフティリードにならないのは困ったものだ。
3月30日の対横浜F・マリノス戦(アウェイ)では先制しながら2-1と逆転された。そこで渡邉千真が同点ゴールを決め「いままでなら逆転負けしていたのに、同点に追いつけるようになったとは成長したな」と思った刹那、出場停止のマルキーニョスにかわって今季初先発となった藤田祥史に、2点目に続く3点目を決められた。ちなみに第15節終了時点で藤田のリーグ戦でのゴールはこの試合の2点だけだ(ナビスコでは予選リーグで1得点)。