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日本代表 12年前

ザック流“インテンシティ”とは何か? 工藤と東の初選出から見える代表の未来像

30日から始まる代表戦に向けてのメンバーが発表された。お馴染みの選手に混じって初招集された工藤壮人と東慶悟。彼らが選ばれたのには明確な理由がある。それはザックが会見で口にした“インテンシティ”という言葉と密接な関係がある。

text by 河治良幸 photo by Kenzaburo Matsuoka / editorial staff

従来とは違った意味を含むザックの“インテンシティ”

 インテンシタ(Intensità)――

 英語では“インテンシティ”、日本語で良く“プレー強度”と表現される言葉だ。もしかしたら、これまで何度か通訳の矢野大輔さんが「回転数を上げる」と訳した時に、このイタリア語は含まれていたかもしれない。

 だが、ザック・ジャパンで監督が自らここまで明確に“インテンシティ”に言及したのは、今回のブルガリア戦、オーストラリア戦に向けたメンバー発表が初めてだ。

 現代サッカーで国際的に重視される様になった“インテンシティ”に関しては当初、“フィジカル・インテンシティ”という言葉が出回ったためやや誤解をともなって広まった感はある。筆者もこれまで何度か関連の記事を書いたが、今回のザッケローニ監督の表現を借りるならばこの通りだ。

「オンの時でもオフの時でも活動的になるということ。自分たちがボールを持っていない時は相手のボール保持者に対してアプローチに行き、後ろの選手が連動する。そのための準備を進めること。逆にボールを持っている時は足下だけでつなぐのではなく、スペースに出し、走りながら素早くボールを運ぶ、という様に活動的になること」

 同時にザックは「いくら個の力が強くてもインテンシティに欠けたチームは結果を残せていない」と語る。日本代表に照らし合わせても、良い時と悪い時で、そのインテンシティに差が出ており、それが欠けていると結局、“アジアで1番”と自負する技術力も発揮できないということなのだ。

 今回の会見で明言はしていなかったが、“インテンシティに欠けた”試合の1つが3カ月前のヨルダン戦だったことは間違いない。個人のミスが目立った試合ではあったが、チームとして連動性や動き出し、素早いアプローチといったものを欠き、相手の肉体的な強さや縦の速さをダイレクトに発揮させてしまっていた。

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