ACLではレアンドロ・ドミンゲスのマークが甘くなる
ACLでJリーグ勢の苦戦が続く中、開幕から3連勝を挙げている柏の好調ぶりが目立つ。難しいと言われるアウェイ中国での貴州戦を1-0で完封し、第2戦のセントラルコースト戦は先制されながらも逆転勝ち。そして先日は大量6ゴールを叩き出し、相手にPKが4本も与えられる判定にも屈することなく難敵・水原を敵地で一蹴した。
しかしその一方で、国内の戦いではACLほどの快進撃を続けているわけではない。第5節を終了して2勝2敗1分の勝ち点7、序盤戦とはいえ、現在は8位に位置する。ACLとJリーグとでメンバーを大幅に入れ替えて試合に臨んでいるならば、どちらかに比重を置いているとの見方ができるかもしれないが、交互に行われる両方の試合を比べても分かるように、怪我による選手の入れ替え以外、ほとんど同じメンバーで戦っているのだから、なおさら不思議である。
考えられるのは、レアンドロ・ドミンゲスへの対応の違いが、そのまま結果に直結していると思われる。Jリーグでもナンバーワンの外国籍選手との呼び声高いレアンドロが活躍するかしないかによって、柏の成績は大きく左右される。だからこそJリーグの対戦相手は彼を警戒し、徹底的にマークすることによって、その威力を封じにかかる。
たとえ自陣の低い位置であろうと、レアンドロがボールを持つと、ファウル覚悟の激しいチャージを見舞う。第5節の名古屋戦でも、彼に対する激しいプレーは非常に多く、試合終盤には足を痛め、顔をしかめながら足を引きずらせていたぐらいだ。
ところがアジアの対戦相手は、Jリーグ勢の“レアンドロ封じ”ほどの徹底ぶりは見られない。もちろん、水原のソ・ジョンウォン監督が前日会見で「相手の10番は技術が高く、パスも出せる。警戒している」と明言したように、アジアのチームも警戒していることは間違いない。
だが、水原戦の先制ゴールの場面を振り返ってみると、ボールを持ったレアンドロがバイタルエリアに入っても水原の守備陣は自由を与え、結局そのマーキングが緩いがために、ディフェンスラインの背後へ高精度のパスを入れさせてしまっている。