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【秋春制を考える】原博実技術委員長に聞く日本サッカーの強化ビジョン(前編)

text by 西部謙司 photo by editorial staff

サッカーの質を上げるには夏の試合は少なくしたほうがいい


【写真:編集部】

――カレンダーを変えるにあたって、腹案はありますか? 海外組と国内組ではオフのタイミングが違いますけど。

「海外組のオフははっきりしてます。6月にはW杯を除けば大会は入らないですから。AFCには中東がいますから6、7月はインターナショナルマッチはない。Jリーグのシーズンをヨーロッパや中東に合わせれば、そのタイミングでオフはとれます。けれども、そうすると1月にJリーグができない地域もあるわけです。協会としても、そこをどう考えていくかがカギになるんじゃないでしょうか」

――秋春制への移行は、小倉会長も先の課題として残していますね。

「秋春といっても、8月には始めないと消化できませんけどね。あとは、日本独自のカレンダーを生かして、2月のACLが始まるタイミングでJを開幕させ、12月のアタマで終わりにする。クラブW杯に出るチームだけ、もうちょっと頑張る。そのどちらかかな、と思っていますけど。まあ、サッカーの質を上げるという点では、夏の試合はなるべく少なくしたほうがいいとは思います」

――スケジュールを決める権限はどのぐらい協会にあるんですか? Jリーグと話し合うにしても、最終決定はJですよね。協会に決定権は全然ない?

「いや、そんなことはないんですけど、難しいところではある。例えば、放映権の関係で土日開催、しかも夏場はナイターしかできない。けっこう日曜日も多い。水曜日にACLがありますから。五輪予選のマレーシア戦は水曜日ですけど、月曜日に集まってダウンして前日練習しかできない。こういうのが難しいところ。代表の強化だけを考えるのも良くないし、やっぱりカレンダーを正しくしてトータルで強化できるように考えていきたいですね」

【後編に続く】

初出:サッカー批評issue52

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