昨シーズン、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督を招聘した浦和レッズ。残留争いを強いられた2011年シーズンから一転、序盤から好調な戦いを見せ、最終的にリーグ戦で3位の好成績を残した。
ACLへの出場権を得た今季は、シーズンオフに入り積極的な補強策に打って出ている。既にサンフレッチェ広島から森脇良太を、ベガルタ仙台から関口訓充の獲得が決まり、本日、鹿島アントラーズから興梠慎三の加入が発表された。また、天皇杯が終わったところで、柏レイソルから那須大亮を獲得するとの噂も出ている。
今回、ビッグクラブらしい補強を敢行している浦和レッズに加入、もしくは加入が予想されている選手たちの特徴を、各クラブの番記者や編集者に聞いた。
興梠慎三の特徴
まずは、鹿島アントラーズの番記者である田中滋氏に、本日発表になった興梠慎三の特徴を聞いた。
――興梠は移籍について何か話をしていましたか?
「興梠とは少し前に話をしましたが、ペトロヴィッチ監督のことを結構話していましたね。自分が対戦してみて、一番やりづらかった相手で、そこでプレーしてみたいということを言っていました。昨シーズンの興梠は調子自体は良かったですし、キャリアハイの得点数を挙げています。ただ、ジョルジーニョ監督がシーズン途中から1トップを採用して、そこで出場機会が減ってしまったのは現実としてありました。そこで、環境を変えたいという意志もあったようです」
――どんな選手ですか?
「選手としての特長は、やはりエリア内で勝負するタイプです。生粋のストライカータイプと言えると思います。ただ、ボールを収めるのも上手いですし、動物のネコのような感じですね。無理なところにボールが行っても、高い身体能力でボールを止められます。体のバネが強いですね。
ミシャ監督のイメージだと、佐藤寿人と比較されることになると思います。佐藤寿人と興梠の違いを挙げると、ボールを受けるときに、興梠は相手のマーカーを背負って受ける傾向が強いです。寿人の場合は、背負わずに相手の間に入ってもらおうとするんですけど、興梠は相手にガツンと当たられて、そこでどうするか考えてボールを受けるんですよね。ポストワークの部分では、そこが寿人とは違うところで、ミシャ監督のサッカーをやるには少し心配な部分ではありますね」
――鹿島から浦和、というのはなかなかない移籍です
「これはこのオフに関してですが、オフの間も2日に一度は体を動かすと言っていました。これまでそんなことはしてなかったですし、“今年は勝負の年だからやるよ”と話してます。かなり前向きに、この移籍を捉えていると思いますね。今年がダメなら選手としてもダメだと、そういう意識でいる印象です。
鹿島から浦和への移籍というのはほとんど前例がないですし(1999年オフに阿部敏之と室井一衛が移籍して以来)、本人もその部分は気にしていました。凄く悩んだと。ただ、浦和で活躍することがサポーターへの恩返しになるし、出て行くからには活躍することが、サポーターに対して失礼にならないと。鹿島との試合は、凄く楽しみだとも話していました」